開催報告
2016 年11 月4 日に丸ビル ホール&コンファレンススクエアにおいてRecurDyn Users’ Conference 2016 が開催されました。ユーザー様4 社5 件、パートナー1 社による貴重なご講演やRecurDyn の開発計画や弊社のテクニカルセッションなど、皆様熱心にご聴講なされました。また、懇親会では、ユーザー様間のご交流がはかられました。
ファンクションベイ株式会社 |
開催要項
日時 | 2016年11月4日(金) 10:30 ~ 19:00 |
会場 | 丸ビル ホール&コンファレンススクエア 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル7階ホール TEL: 03-3217-7111 URL: http://www.marunouchi-hc.jp/hc-marubiru/ |
参加者数 | 141名 |
内容
【ファンクションベイ セッション】 「RecurDynV8R5 新機能のご紹介」 ファンクションベイ株式会社 技術部 松木 和宏 RecurDynV8R5 で実装された剛体、弾性体ボディを容易に変換でするG-Manager、しました。インポートしたCAD形状に対する単純形状接触定義機能やらせん形状と球との接触機能、各種操作性向上に関する機能などデモンストレーションを交えてご紹介しました。 |
【ファンクションベイ セッション】 「Global Activity of RecurDyn Sales and the direction of Version 9」 FunctionBay, Inc. Solution Group Manager Donghyup Shin CAE のグローバルマーケットにおけるFunctionBay,Inc.のビジネス概況と様々な活動を報告するとともに、RecurDynV9開発の方向性についてご紹介しました。 |
【ファンクションベイ セッション】 「RecurDyn を活用したモデリング手法のご紹介」 ファンクションベイ株式会社 技術部 福島 ともえ RecurDyn の機能の組み合わせによる解析速度向上に役立つモデリング手法や単独機能では表現できない機構のモデリング手法、また信号制御等に使える数式の活用方法をご紹介しました。 |
【ユーザー講演】 「搬送シミュレーション推進活動紹介」 ブラザー工業株式会社 メカ基盤技術開発部 棚橋 真種様 【講演内容概要】 弊社の主力商品の一分野としてプリンターや複合機などの印刷機器やスキャナ読取機器がある。当初、これらの設計部門の一部で導入されたMTT2D を用いた用紙搬送シミュレーションであるが、開発効率の向上や市場要望実現に有効な設計ツールとして広く設計部門に普及してきた。その背景としては試作実機を中心とした人海戦術での評価からシミュレーションでの数値評価への転換が望まれていたことが挙げられる。使用側・推進側双方が工夫した点を交え、現在に至る搬送シミュレーション推進活動を紹介する。 |
【ユーザー講演】 「RecurDyn の生体シミュレーションへの利用 ~ 魚類の眼球内部構造の理解 ~」 国立大学法人 三重大学 大学院 生物資源学研究科 准教授 福島 崇志様 【講演内容概要】 機構解析ソフトウェアの利用対象は、一般的に機械構造物がほとんどであり、私どもも同様に農業機械の運動解析に利用してきました。しかし、対象の動的現象を理解・制御するのは、機械のみではなく、動物などの生体にも必要です。動物を対象とする研究者は。生理学的または解剖学的に対象動物の運動能力を基礎的な力学で推定していますが、実際にどのような運動をするかの観察は難しいです。そこで、RecurDyn のような動的シミュレーションを適用することで、これまで得られた知見に理論的な裏付けを与えることができます。 本研究では、魚類の眼球内部にある水晶体(レンズ)の動きに対して、その駆動源である水晶体筋を簡易な粘弾性モデルで表現することで、レンズの運動特性について解析しました。本講演では、その解析例を紹介させていただきます。 |
【ユーザー講演】 「粒子法とRecurDyn との連成解析によるチェーン給油条件の最適化」 株式会社本田技術研究所 四輪R&D センター 第3技術開発室 シニアエキスパート 品川 博様 共同発表者:株式会社ファソテック VD 技術事業部 CAE 開発センター スペシャリスト 國枝 弘毅様 【講演内容概要】 エンジンの開発段階において、耐久試験中に過度なチェーン摩耗が発生し、設計変更を強いられることがある。その原因としては、チェーン給油に関する設計基準が十分ではなく、設計段階の限られた期間内で、従来の流体系シミュレーションを用いたパラメータスタディは難しいことが考えられる。 本研究では、単体摩耗評価試験により最適な給油条件を求めると共に、粒子法とRecurDyn との連成解析を活用することで、実機におけるタイミングチェーン給油条件の最適化に取り組んだ事例を紹介する。 |
【ユーザー講演】 「RecurDyn を活用した二輪車の排気システムの疲労耐久性予測技術の紹介」 株式会社本田技術研究所 二輪R&D センター 第2開発室 第1ブロック 主任研究員 栗原 博様 【講演内容概要】 近年、開発プロセス効率化の一手段として、設計段階におけるCAE 解析技術の活用領域が拡大している。しかし、複数の部品から構成される構造体や、複数の物理現象の影響を受ける部品については必要とされる解析精度を得ることは難しく、設計段階で性能を予測しきれない領域が残されているのが実情である。 二輪車の排気システムの疲労耐久性は、熱変形、振動挙動、さらには高温になることでの材料の疲労限度の低下が影響しあうマルチフィジクス問題であり、弊社内において、予測が困難な現象として長きにわたり課題視されていた。本講演では、この課題に対するソリューションとして構築した、RecurDyn を機軸とし、これに三次元CFD、一次元エンジンサイクルシミュレーション、構造解析を組み合わせた、二輪車の排気システムの疲労耐久性の予測技術について紹介する。 |
【パートナー講演】 「機構解析分野における自己適応式最適化アルゴリズム「pilOPT」の 適用事例のご紹介」 株式会社IDAJ 解析技術3部 リーダー 濱谷 秀一様 【発表内容概略】 最適化問題を解く場合、少ない評価デザイン数で満足する最適解を得るためには、先ずは問題に適した最適アルゴリズムを選択し、次に選択した最適化アルゴリズムに応じた所定のルールや知見に基づいた種々の設定を行う必要があるなど、最適化アルゴリズムに関する専門知識が設計者に求められる場合があった。 そこで、多目的ロバスト設計最適化支援ツール「modeFRONTIER」の開発元であるESTECO 社はこれらの問題を解決するべく、自己適応式最適化アルゴリズム「pilOPT」を新たに開発した。 pilOPT は、大域的探索性と局所探索性とのバランスを逐次調整しながら最適解探索を行う手法であり、多種多様な問題に対して安定した探索性能を示す。ユーザーの設定項目は計算回数のみで、初期サンプリングは自動で行われる。本講演では「pilOPT」を用いたmodeFRONTIER とRecurDyn 連成による最適化事例を紹介する。 |
【実験報告】 「ローラーチェーンの実験と解析」 ファンクションベイ株式会社 代表取締役社長 鈴木 隆 【発表内容概略】 チェーン機構は、機械技術者にとっては馴染み深い機構要素である。今回は、伝達機構で幅広く用いられているローラーチェーンを題材として、実験と解析を行う。チェーンに静荷重を与えた時の伸びや、チェーンの動的な振動現象を実験で測定する。そして、それらの実験に対応する解析もRecurDynで実施し、得られた結果の比較、考察を行う。また、粒子法連成解析についてもチェーンと潤滑油のかき上げに対して適用した事例を併せて紹介する。 |
【懇親会】 今年もFunctionBay, Inc. Chairman Prof. Jin H. Choi の挨拶と乾杯から始まり、例年に比べ多数のご出席者様に ご参加頂き、ユーザー様同士ご交流をはかっていらっしゃいました。弊社スタッフにとっても、貴重なご意見をお 聞きする機会となりました。 |
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アンケート結果の一部ご報告 回収数=131件
1. 本日のRecurDyn Users’ Conference 2016の内容は 参考になりましたか? |
2.RecurDynをご使用にあたり満足していますか? |
3.RecurDynの良い点はどこですか? | 4.RecurDyn技術サポートの対応についてお聞かせください。 |
お礼
ご多忙中にもかかわらず、参加いただきましたお客様ならびに大変貴重なご講演をいただきましたご講演者様に対し、弊社一同代表致しまして心より御礼申し上げます。RecurDynも弾性体連成機能の拡充、粒子法との連成と新しい解析技術のご提案をさせて頂きました。今後も、皆様のお力添えをいただき、一層有意な機能のご紹介、サービスのご提供をすすめていく所存ございます。何卒ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。ファンクションベイ株式会社 代表取締役社長 鈴木 隆 |
<主催(お問い合わせ先)>
ファンクションベイ株式会社 営業部TEL: 03-3243-2031
E-Mail:fbj_event@functionbay.co.jp