開催報告
2017 年11 月10 日に丸ビル ホール&コンファレンススクエアにおいてRecurDyn Users’ Conference 2017 が開催されました。ユーザー様5 社、パートナー1 社による貴重なご講演やRecurDyn の開発計画や弊社のテクニカルセッションなど、皆様熱心にご聴講なされました。また、懇親会では、ユーザー様間のご交流がはかられました。
ファンクションベイ株式会社 |
開催要項
日時 | 2017年11月10日(金) 10:30 ~ 19:00 |
会場 | 丸ビル ホール&コンファレンススクエア 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル7階ホール TEL: 03-3217-7111 URL: http://www.marunouchi-hc.jp/hc-marubiru/ |
参加者数 | 151名 |
内容
【ファンクションベイ セッション】 「RecurDyn V9R1新機能のご紹介」 ファンクションベイ株式会社 技術部 松木 和宏 新バージョンV9R1では、大幅に機能向上したEHDやソルバーの改良により、解析速度および精度向上を実現した。また、ユーザー独自のデフォルト値を設定するパラメーターテンプレートやメッシャーの強化等、モデル作成をより効率的に行う機能が多数実装された。これらのV9R1の主要機能の概要を、デモンストレーションや事例を交えながら紹介しました。 |
【ファンクションベイ セッション】 「Global activity of RecurDyn sales and the direction of V9R2 and later」 FunctionBay, Inc. Solution Group Manager Donghyup Shin A couple of oversea RecurDyn user success stories will be introduced and a presentation about RecurDyn new features for next versions and development direction will be given and shared. |
【ユーザー講演】 「RecurDynの導入による動的解析の効率化の事例」 リコーテクノロジーズ株式会社 経営管理本部 改革推進室 DE-G 沼田 俊也様 【講演内容概要】 弊社では2016年にRecurDynを導入、更に2017年にF-Flexを導入した。これまで専任者向けのソフトで行っていた動的な構造解析をF-Flexによって、効率的に解析が可能となった事例を紹介する。 |
【ユーザー講演】 「リニアころ軸受のキャリッジドリフト」 長岡技術科学大学 大学院 工学研究科 機械創造工学専攻 教授 太田 浩之様 【講演内容概要】 本研究は、リニアころ軸受のキャリッジドリフト(キャリッジを往復駆動すると,往きと戻りの過程でキャリッジの変位または角変位に差が生ずる現象)を扱っている。 まず,キャリッジドリフトは、リニアころ軸受で発生し、リニア玉軸受では発生しないことを実験で確認し、キャリッジドリフトの発生には、ころのスキューが関係していると推定した。 次に、この推定を確かめるために、リニアころ軸受のマルチボディ解析を行った。解析は、ころにスキューを与えた場合と、スキューを与えない場合の両方について行った。解析の結果、リニアころ軸受のキャリッジドリフトは、ころのスキューを与えた場合に発生することが明らかになった。 続いて、リニアころ軸受のキャリッジドリフトを低減のために、ころのスキューを抑制するアンチスキューイングブレース(ASB)を開発した。最後に、ASB を使用することで、リニアころ軸受のキャリッジドリフトを低減できることを実証した。 |
【ユーザー講演】 「流体・機構連成解析による冠水路走行時のエンジンルーム内 水位予測技術の開発」 トヨタ自動車株式会社 トヨタコンパクトカーカンパニー 車両実験部 熱流体・燃費開発室 冷却Gr グループ長 田中 義輝様 【講演内容概要】 新興国等への市場の拡大により、より様々な環境下で自動車が使用されるようになってきている。その中のひとつに冠水路での走行が挙げられ、この状況下における車両部品の信頼性確保が望まれている。本研究では、流体解析と機構解析を連成することで、冠水路走行時の車両周りの水流れとその水からの浮力による車両の姿勢変化を同時に解析し、エンジンルーム内の水位を予測する技術を開発した。この技術を用いることで、熱交換器前後の水位を±5%の精度で予測することができた。また、走行条件(水深や車速)を変更させた解析から、水位の上昇メカニズムを解明し、エンジンルーム内水位が高くなる走行条件の導出方法について考察した。 |
【ユーザー講演】 「LG エレクトロニクスにおけるデジタル開発の為の戦略と事例」 LG エレクトロニクス PRI/Virtual Design Technology Team 主席研究員 Sang-kook Kim様 【講演内容概要】 LG エレクトロニクスでは、開発工程において仮想設計技術のデジタル開発に取り組んでいる。動力学の分野では、設計効率と信頼性の標準化と普及にフォーカスし、RecurDyn はその重要な役割を果たしている。本発表では、その活動内容と洗濯機などいくつかの事例を報告する。 |
【ユーザー講演】 「RecurDyn とmodeFRONTIER を用いた遮断器の多目的最適化」 三菱電機株式会社 福山製作所 生産システム推進部 材料技術課 専任 舛田 真一様 【講演内容概要】 機構部品は複数の性能を有しています。機構は、リンク部品で繋がっているため各性能が、トレードオフ関係にあるがほとんどです。そこで、複数の性能を同時に評価し、各性能のバランスが良い最適機構を算出する手法(多目的最適化)が必要となります。本講演では、RecurDynと親和性の高い最適化ソフトウェア(modeFRONTIER)を用いた機構性能の多目的最適化の活用事例について紹介します。 |
【パートナー講演】 「RecurDyn を核としたCAE&AM ソリューションご紹介」 株式会社ファソテック CAE&AM 開発センター センター長 大橋 英一郎様 【発表内容概略】 RecurDyn による機構解析に加えて、高精度接触解析やトポロジー解析を利用した解析プロセスをご紹介します。また、解析後の試作や量産設備として注目されているAM(積層造形:Additive Manufacturing)についてもご紹介いたします。 |
【実験報告】 「歯車伝達系に関する実験と解析」 ファンクションベイ株式会社 代表取締役社長 鈴木 隆 【発表内容概略】 機械システムにおいて、歯車伝達系は重要な存在である。また、実用上、振動騒音を抑制するためには非常に高い精度が求められる。 今回、歯車の歯の剛性はどの程度のものなのかについて万能試験機で確認し弾性体解析の結果と比較、考察する。 また、高剛性、高精度な実験環境を整えるのは容易ではないため、逆に系の精度が低いとどのような挙動を示すか、軸受けの剛性が不足するとどのような振動が起きるのかという観点で、実験と解析を実施する。また、潤滑油に浸った状態での歯車の馬力損失についても流体解析連成により検討を行う。 |
【懇親会】 FunctionBay, Inc. Chairman Prof. Jin H. Choi の挨拶と乾杯から始まり、ユーザー様同士わきあいあいの中、ご交流をはかっていらっしゃいました。 |
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アンケート結果の一部ご報告 回収数=124件
1. 本日のRecurDyn Users’ Conference 2017の内容は 参考になりましたか? |
2.RecurDynをご使用にあたり満足していますか? |
3.RecurDynの良い点はどこですか? | 4.RecurDyn技術サポートの対応についてお聞かせください。 |
お礼
ご多忙中にもかかわらず、参加いただきましたお客様ならびに大変貴重なご講演をいただきましたご講演者様に対し、弊社一同代表致しまして心より御礼申し上げます。今回はV9R1リリースに伴い、更なる計算高速化につながる新機能をご紹介することができました。 今後も、皆様のお声に耳を傾け、いっそう御期待にお答えするべく努力をいたす所存ございます。何卒ご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。ファンクションベイ株式会社 代表取締役社長 鈴木 隆 |
<主催(お問い合わせ先)>
ファンクションベイ株式会社 営業部TEL: 03-3243-2031
E-Mail:fbj_event@functionbay.co.jp